夏期講習 ココロと身体で古文を読む
2016.09.03
この夏、中学2年生を対象に「ココロと身体で古文を読む」と題した講習を実施しました。この講座は昨年中学1年生で実施した「ココロと身体で小説を読む」の続編的な講座で、身体表現を伴った創作活動を通して、古文の世界に近づこうとするものでした。具体的には、撮影した映像を逆再生することのできるiPadのアプリを使って、班ごとに平家物語を元に映像作品を創りあげました。
1日目には、グループワークに向けたアイスブレイクのためのコミュニケーションゲームを行った後で、平家物語の概要を説明しました。
2日目には、まずアプリの使い方に慣れてもらうために、逆再生だから表現できるような映像(紙を上から落としたところを撮影して逆再生すると紙がふわふわと浮き上がるように見える、物を投げるところを撮影して逆再生すると物が手に吸い込まれるように見えるなど)を班ごとに撮影しました。どのように撮影したら面白い表現になるのか、班ごとに工夫しながら撮影します。
その後、平家物語の中で印象に残った場面を班ごとに自由に選び、再び映像作品を創り発表しました。「一ノ谷の戦い」「義仲最期」など、班ごとに工夫して映像にしていきました。
この日の最後に「那須与一」のテキストを配布し、次の日までに読んでおくことにしました。
3日目は「那須与一」を映像化していきます。映像化の前に、まず古文で書かれたテキストを解釈していかなくてはなりません。みな真剣な表情でテキストを読み解きます。加えて、撮った映像にあわせてセリフをつけていきます。テキストに書かれていない部分も想像しながら、セリフをつくっていきました。
4日目は前日撮影した作品を班ごとに発表。どの班も面白い作品が出来あがりました。
その後、テキストの解釈を講義形式で解説しました。
講習を終えた生徒の感想を引用します。
「二学期の国語では平家物語を扱うらしいので楽しみになった」
「古文を演じることは、歴史上の人物にタイムスリップするような面白さがあった。また。与一の緊張、平家の失望などが目にありありと浮かんできた。各班で弓矢の演出が違って特色を感じた。また、最後の二言の解釈も差があり、同じ文章から色々と読み取れる面白さを改めて感じた」
「古文を読み、映像を作ったため、古文を楽しく理解することができた。来年も国語のこのような講習があれば是非取りたい」
「去年もこの講座の現代文バージョンを受けていたので、だいたい何をするのかは分かっていたが、去年と違って言葉を理解するのに苦労したため、難しかった。最終日の授業は分からなかったところが分かったため、とても面白かった」
「逆再生で『平家物語』を表現したりすることで、想像力を生かすことができたと思う。この経験を生かして、他の古典作品も楽しんで読むことができるようになりたいと思った」
「自分は古文が苦手なのですが、グループ内の人と一つの映像にすることで、この部分はこのように解釈すればよかったのかと、少しですが今までより深く解釈することができたので、この講習を受けてよかったと感じました」
「グループごとの創作活動を通して古文を面白く読むことができた」というような感想が出てきたことは、非常に嬉しいことでした。また機会があれば、このような講習を実施したいと考えております。
※ 昨年度の様子は以下からご覧になれます。